知っておきたい!相続から家の売却まで

①不動産の名義変更をしていない場合は手続きをします

不動産売却は、基本的には名義人しか行うことができません。そのため、もし不動産の名義変更を行なっていない場合はまず名義変更の手続きをしましょう。これを相続登記と呼びます。


相続登記は、自分で行えますが司法書士に依頼することも可能です。手数料はかかりますが、煩雑な手続きを行う手間を省けます。


相続を受けた場合には、相続税が発生します。相続税の納税は、不動産の所有者が亡くなったことをした日の翌日から10カ月以内に行うことが決められています。


相続税は税務署から納付書が送付されないため、早めに納付しないと忘れてしまうこともあるでしょう。万が一、10カ月を過ぎてしまうと納付期限から実際に支払った日までの期間に応じて延滞税が課せられるため注意が必要です。


②売却方法を選択する

名義変更が完了したら、不動産をどのようにして売却するかを検討しましょう。

相続した不動産の売却方法には、不動産会社に買い取ってもらう方法と、仲介してもらって買い主を探す方法の2種類があります。


それぞれのメリット・デメリットについてまとめておきます。

不動産会社に不動産を買い取ってもらう買取のメリットは、売却までの時間が短時間ですむ点です。急いで売却したい場合には、不動産をすぐに現金化できるため有効な手段といえるでしょう。ただし、買取の場合は相場よりも価格が下がるというデメリットがあります。


売却までにあまり時間をかけたくない、ある程度まとまった金額になればよいという人であれば、買取を利用する方法もひとつです。



不動産会社を仲介した売却では、買い主を探すことから売却手続きまでさまざまな手続きを不動産会社が行ってくれます。

この場合、おおよそ相場価格で売却することができると考えてよいでしょう。売却相手が個人であるため、買取よりも高額で売れる可能性も高く、少しでも高額で売却したい人には仲介での売却がおすすめです。

ただし、仲介の場合には仲介手数料が発生する点、売却が決まるまでにかかる時間が不明瞭である点がデメリットとなります。



③更地にするのか検討する

不動産を売却する場合、空き家の状態で売却するのか解体して更地にするのかを検討することも必要となります。家が老朽化している場合は、そのままではなかなか売れない可能性もあるでしょう。その場合には、思い切って更地にしてしまったほうが早く売れることもあります。

空き家のまま売却するケースでは、手間がかからず解体費用も必要ない点がメリットです。ただし、なかなか売れない場合には、精神的な負担になることもあるでしょう。


更地にして売却するケースでは、空き家の状態よりも早く売れる可能性が高い一方、解体費用がかかるというデメリットがあります。


④不動産会社を選ぶ

売却方法目処をある程度つけたら、不動産会社を選びましょう。

自分で不動産会社を選ぶのは、とても手間がかかる作業です。それでも信頼できる会社を選択しなければ、後々のトラブルに発展する可能性もあります。


そこでおすすめなのが、地元で長く経験を積んだ不動産会社は実績と経験があり、トラブルになりにくい傾向があります。

最近では一括不動産査定サイトなどもありますが、不動産会社は実際に売れる価格よりも高く査定価格を提示する傾向にあり、実際に売却できる価格が査定価格よりも大きく下回るケースがすくなくないのも事実です。

自宅にいながら情報を入力するだけで、簡単に複数社に査定を依頼することが可能なので、とても便利ですが、不動産会社選びは地元の2~3社に相談、信頼できる不動産会社をみつけて、スムーズに不動産の売却を進めましょう。


⑤媒介契約して売却活動を開始

信頼できる不動産会社をみつけたら、売却のための契約を結びましょう。不動産会社と結ぶ契約を媒介契約と呼びます。媒介契約には大きく分けて3種類があります。それぞれについて簡単に説明しておきます。


専属専任媒介契約は、不動産会社1社だけに仲介を依頼する媒介契約です。この契約を結ぶとほかの不動産会社に仲介を依頼することはできません。不動産会社に売却活動を一任するのが専属専任媒介契約です。


専任媒介契約は、不動産会社1社だけに仲介を依頼する媒介契約です。専属専任媒介契約と同じく、ほかの不動産会社に仲介を依頼することはできません。ただし、異なる点は自力で買い主を探すことができる点にあります。


一般媒介契約は、同時に複数の不動産会社に仲介を依頼することが可能です。また、自力で探した買い主と個人間で契約を結ぶことも可能です。


相続、売却の相談から売った後まで、信頼できる不動産会社にサポートをしていただく場合には専属又は専任媒介契約の契約が安心して取引できます。


こうした契約を結んでから、それぞれの方法で売却活動がスタートします。



⑥価格交渉をして売買契約を結ぶ

不動産の購入希望者が見つかったあと、価格交渉をされるケースもあります。こちらが希望する価格は事前に仲介会社にきちんと伝えておきましょう。その上で、どこまでなら妥協できるかも決めておくと価格交渉がスムーズに進むでしょう。

不動産の売却に価格交渉はつきものです。事前にしっかりと検討しておき、価格に納得できたら売買契約を結びましょう。


⑦代金の決済と物件の引き渡し

買い主が決定したら、売買契約を交わして代金の決済を行います。決済には、買い主と売り主、仲介会社が参加する必要があります。売り主は、不動産会社に売却を依頼した段階で抵当権抹消手続きを行っておく必要があります。


引き渡しの時期については、売買契約を結ぶときに決定するのが一般的です。期日は自由に決めることが可能ですが、決定した引き渡し日は後から移動させることはできません。基本的には決済と同時に引き渡しを行います。


売買契約を交わしてから買主が住宅ローンの審査を通るまでを目安と考えると、契約からおおよそ1カ月程度が引き渡し日の目安となるでしょう。


⑧相続した家を売却するときの節税ポイント

家を相続すると相続税の課税対象となります。相続税は不動産の名義人が亡くなったことを知った翌日から10カ月以内に納付しなくてはなりません。相続した家を売却して利益がでた場合に支払う税金を節約するためのポイントについて解説しますので、期限が来る前にきちんと手続きを行いましょう。


⑨特例や控除を活用する

相続した家を売却した際の税金は、遺産の総額から基礎控除を引いた価額に対して課税されます。基礎控除とは、法廷相続人の人数によって異なります。基礎控除の算出方法は以下のとおりです。


3,000万円+(法廷相続人の人数×600万円)=基礎控除

つまり、法廷相続人が多ければ多いほど基礎控除は大きくなるということです。

さらに売却して利益がでた場合には、譲渡所得を支払う必要があります。この際に利用できるのが、取得費加算の特例と3,000万円特別控除、10年超所有軽減税率、特定居住用財産の買い替え特例です。


それぞれについて簡単に解説しておきますので、自分が当てはまるかどうか確認してみましょう。


取得費加算の特例には、相続開始から3年10カ月以内に相続財産を売却していることが条件として伴います。売却した資産に対応する相続税を譲渡益から控除を行うのがこの特例の特徴です。


3,000万円特別控除は、売却価格から購入価格を差し引いた「課税譲渡所得」から最高で3,000万円まで控除をしてもらえる制度です。所有期間に関係なく適用される点が特徴です。


10年超所有軽減税率の特例は、10年を超えて所有している不動産を売却して利益が出た場合に譲渡所得税の税率が軽減される特例となります。所有期間が10年を超えると軽減税率が適用され、課税譲渡所得が6,000万円以下の部分については税率が14.21%まで軽減されます。


特定居住用財産の買い替え特例は、居住用財産を売却して新居を購入した場合に売却価格よりも新居の購入金額が高額である場合には課税されないという制度です。相続した不動産の売却を行ってから、新居を購入する計画を立てている場合には、利用を検討してみましょう。

譲渡所得のほうが高い税率が適用される点が特徴です。

節税したい場合には、相続から5年経過してから売却するとよいでしょう。

ただし、取得費加算の特例を利用する場合には相続開始から3年10ヶ月以内に売却する必要があります。


⑩不動産の取得費を明確にする

上記でお伝えしたように、不動産の売却で節税を希望するなら取得費は大きなポイントになります。取得費とは、その不動産を購入したときの金額です。取得費がはっきりわかっていれば、譲渡所得を小さくすることが可能になります。

ただ、取得費がわからない場合には概算で売却額の5%が取得費として計算されることになります。このパターンでは、譲渡所得がプラスになり譲渡所得税が高くなる可能性が出てきます。取得費がわからない場合は、まず不動産会社に動産してみましょう。

相続した家の売却は通常より手続きが多い

相続した家の売却は通常より手続きが多い

相続した家を売却する場合、自己所有の不動産を売却するよりも手続きが多くなるのが特徴です。


相続人が多ければ多いほど手続きが煩雑になることもあるため、できるだけ早めに手続きを開始することをおすすめします。


空き家になるようであれば、売却して元金化して相続人で分割する方法がよいでしょう。その際も全員の押印が必要になるなど必要な手続きが多数あります。


相続税の支払いや売却して出た利益にかかる税金の支払いなども考慮して、早め早めの対策を取っておくことをおすすめします。


1人では難しい場合も信頼できる不動産会社に相談すれば、売却だけでなく相続税の節税に関してもアドバイスをもらえる可能性が高くなります。

地元で長く営業している信頼できる不動産会社をみつけることがとても大切です

苫小牧相続空き家対策室 0144-84-8780

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